研究課題/領域番号 |
25462714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 和明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90359810)
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研究分担者 |
赤木 忠道 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30580112)
辻川 明孝 香川大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40402846)
吉村 長久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70211662)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 視神経乳頭腫脹 / 乳頭周囲網膜神経線維層厚 / うっ血乳頭 / 前部虚血性視神経症 / 視神経炎 / 走査レーザーポラリメータ / 光干渉断層計 |
研究概要 |
難治性視神経疾患の病態の発症及び進展に関与する形態変化を明らかにするため、視神経乳頭が腫脹している病態について、その乳頭周囲網膜神経線維層厚(RNFLT)を走査レーザーポラリメータ(scanning laser polarimeter: SLP)と光干渉断層計(optical coherence tomography: OCT)で測定した結果を比較・検討した。視神経乳頭腫脹を呈した47眼を対象とし、その内訳は、うっ血乳頭(PE)19眼、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)18眼、視神経炎(ON)10眼であった。OCTで測定したRNFLTの平均値は、PE、NAION、ON間で有意差はみられなかったが、SLPで測定したRNFLTの平均値は、NAIONにおいて、PE(P<0.01)およびON(P=0.02)と比べ、有意に小さかった。次にRNFLTを、上方・下方・耳側・鼻側の4象限に分けて比較・検討した。OCTによる測定結果は、PE、NAION、ON間で違いはみられなかったが、SLPによる測定では、上方象限でのRNFLTがNAIONにおいて、PE(P<0.001)およびON(P=0.001)と比べ、有意に薄かった。年齢補正したSLPによるRNFLTの平均値は、PE(P<0.01)とON(P<0.01)で有意に大きかった。また、NAIONにおける上方象限でのRNFLT値は、有意に小さかった(P=0.026)。OCTによって測定された平均RNFLTに対するSLPによって測定された平均RNFLTの比は、NAIONにおいて、PEに比べ有意に小さかった(P=0.001)。以上の結果は、SLPとOCTの測定原理の違いによって生じるもので、NAIONにおけるSLPで測定されるRNFLTの菲薄化は、虚血による神経軸索の消失と関連していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、視神経乳頭が腫脹している病態についてのデータ収集が順調に行えた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、視神経乳頭が萎縮している病態についてのデータ収集を行い、波長走査型光干渉断層計(swept source optical coherence tomograph: SS-OCT)及びスペクトル領域光干渉断層計(spectral domain optical coherence tomograph: SD-OCT)のenhanced depth imaging(EDI)法を用いて、視神経乳頭の形状解析を行う予定である。
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