アクチン重合タンパクPalladinが,ヒト角膜において発現するかどうかを確認した。角膜移植時に得られたヒト疾患角膜(水疱性角膜症4例,角膜白斑4例,円錐角膜1例)および正常ヒト角膜5例におけるPalladinの発現を免疫染色法を用いて評価した。また,同じ検体におけるα-smooth muscle actinの発現も検討し,Palladinとの共発現についても検討した。水疱性角膜症においては3/4例,角膜白斑3/5例,円錐角膜 1/1例にpalladinの発現が見られ,水疱性角膜症3例角膜白斑2例ではα-smooth muscle actinが共発現していた。正常ヒト角膜においてはPalladinの発現は見られなかった。今回の検討で,瘢痕形成をきたすヒト疾患角膜において,アクチン重合関連タンパク質palladinが発現すること,その発現はα-smooth muscle actinと高頻度に共発現することが明らかになった。
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