アクチン重合関連タンパク質Palladinの角膜実質における発現について検討した。Palladinは,瘢痕形成性疾患や角膜実質の創傷治癒過程において,α平滑筋アクチン(αSMA)と共発現していた。培養角膜実質細胞をTGFβで刺激すると,サブタイプである140kDa Palladinが濃度依存性に発現し,またTGFβのシグナル伝達を阻害することによりその発現が抑制された。RNA干渉現象を用いてPalladinの発現を抑制した角膜実質細胞株において,TGFβ刺激によるαSMAの発現も抑制され,その収縮も抑制された。Palladinは,角膜実質における瘢痕形成に関与していることが示唆された。
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