研究課題
研究計画に基づき研究を進めた。ロシア南部のコーカサス地方はカスピ海と黒海にはさまれた山岳地帯で、古来中央アジア系諸民族が多く住む。ベーチェット病はシルクロード地域に偏在することが知られており、同地域はベーチェット病患者が存在する可能性が高い未調査地域と考えられた。平成26年度にはモスクワのロシア医科学アカデミーを訪問し、セミナー講演を行うとともに同地域出身者の患者を診察した。現地の医師と意見交換を行い、その臨床像は既に英文雑誌に掲載された(Lennikov et al: Clin Rheumatol 2015 責任著者は申請者)。平成27年度は以下の進展を見た。(1)カザフスタン:コーカサス地域と民族的に近似性・類似性のあるチュルク系民族が住むカザフスタンを訪問し、医師向け教育セミナーの開催、主要医療機関を訪問し、実態調査と患者診察および助言を行った。カザフスタンは国土の広い大国であるが、北部地域で17例のベーチェット病患者を確認した。(2)キルギスタン:コーカサス地域と民族的に近似性・類似性のあるチュルク系民族が住むキルギスタンを訪問し、主要医療機関を訪問し、実態調査と患者診察および助言を行った。国立教育機関、JICA 支援施設、在キルギス日本大使館、キルギス政府厚生省を訪問した。省内で厚相と会談して直接現地の医療事情を確認するとともに今後の我々の研究への協力・支援が約束された。(3)ダゲスタン自治共和国:コーカサス地域のうち、特に前年度の調査で患者数が多かったダゲスタン人に対して、症状の正確な調査と遺伝子検体の採取に成功した。ロシア連邦内ダゲスタン共和国を共同研究者らが訪問して調査を行った。その後、同地域はイスラム過激派の勢力下になり、現地調査不可能である。現在は採取した DNA を抽出・解析中である。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 8件、 招待講演 5件) 図書 (2件)
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