研究課題/領域番号 |
25462746
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
目時 友美 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00400169)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 網膜色素変性 / カルパイン / 視細胞保護 / ペプチド療法 / ウサギ |
研究概要 |
網膜色素変性は遺伝子異常に端を発する網膜視細胞の進行性変性を基盤とする遺伝性網膜変性疾患である。申請者の研究グループは最近、網膜色素変性モデルラット(RCSラット)における網膜変性の進行にカルシウム依存性プロテアーゼであるカルパインが重要な働きをしており(Exp Eye Res 2010)、ミトコンドリアカルパインを抑制する新規ペプチド(カルパイン抑制ペプチド)投与により視細胞死を抑制できることを見いだした(Biochem Biophys Acta 2012)。本研究は、この新規視細胞保護治療法をウサギなどの中型動物にも応用し、その効果の普遍性を確認することを目的とする。 カルパイン抑制ペプチドはラットにおいて、硝子体内に直接投与しても、また点眼によっても後眼部網膜に到達し、視細胞変性を抑制することが他の研究課題によって明らかとなったが、本研究課題においては最終的にヒトへの臨床応用を念頭に置いてウサギという中動物を対象とした実験を行うこととした。とくに点眼によって後眼部網膜にカルパインペプチドが送達されるとなれば、臨床応用への可能性が高まる。まず初年度においてカルパインペプチド点眼をラットに用いた濃度より5倍程度高濃度にしたところ、免疫組織化学的手法によりウサギ後眼部網膜に十分到達していることが示された。次年度においてはこのペプチドがウサギ網膜変性モデルにおいて変性抑制効果を示すかどうかが目標となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型ウサギに対するカルパインペプチド点眼の網膜への送達が証明されたことで初年度の目標はほぼ達成されたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
網膜変性ウサギ(ロドプシンP347Lトランスジェニックラビット)に対し、カルパインペプチドを点眼して網膜変性の進行が抑制されるか否かを、電気生理学的、形態的および免疫組織学的に明らかにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画より支出額が少なかったため 物品費に上乗せして研究に必要な器具などの購入に充てる
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