研究課題
緑内障の進行に関係する因子は、眼圧以外にも色々報告されているが、治療法に結びつく具体的な薬剤の開発にはまだ至っていないのが現状である。我々は既存の緑内障治療薬が、眼圧下降以外にどのような薬理作用を有しているかに注目し、主に血管平滑筋に対する緑内障治療薬の薬理作用について研究を行ってきた。今回は主に炭酸脱脂酵素阻害剤の血管平滑筋に対する効果について研究を行い、Acetazolamideは、血管弛緩作用を有しないにもかかわらず、Dorzolamideが炭酸脱水酵素阻害作用とは別の薬理作用で血管平滑筋弛緩作用を有していることを報告した。(Dorzolamide-induced relaxation of isolated rabbit ciliary arteries mediated by inhibition of extracellular calcium influx. Jap. J. Ophthalmol.,2016)。この薬理作用は、今回の研究ではこの薬剤がCaチャンネルを抑制する作用を持つことによるものである事が示唆された。この様な作用をこの薬剤が持つことは、今まで報告が余りされていないものであり、意義のあるものと考えられる。さらに別の炭酸脱水酵素阻害剤であるBrinzolamideについても同様の研究を行い、現在投稿中である。また、この様な眼圧下降以外の作用が緑内障視野進行防止に有用であるかを、以前に研究したPG製剤の結果を基に、眼圧下降作用が同一であるにもかかわらず、血管弛緩作用は異なる2つの薬剤の視野維持効果の違いについての臨床研究を進めている。
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Japanese Journal of Ophthalmology
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