研究課題/領域番号 |
25462758
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安川 力 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00324632)
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研究分担者 |
野崎 実穂 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00295601)
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70191963)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 加齢黄斑変性 / ドラッグデリバリーシステム / 脈絡膜新生血管 / 動物モデル / 抗VEGF薬 |
研究実績の概要 |
血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬硝子体内注射が、滲出型加齢黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して認可され、視力予後は改善したが、高額な医療費、注射や薬剤に関連した合併症、視力改善困難な症例も依然として多く認めることなど、長期的に使用されるようになり多くの問題が浮き彫りになってきている。ドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発できれば、注射回数減少による合併症の頻度低下、医療費軽減だけでなく、適切な濃度の薬剤を安定して眼内に送達することによる薬効の向上と薬剤に関連した副作用の軽減が期待できる。ゼラチンハイドロゲルにポリイオンコンプレックスを介して塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)が結合できることを利用して、bFGFとIFNβ含有ゼラチンマイクロスフェアを作成して、家兔網膜下に順に移植することにより増殖硝子体網膜症モデルの作製した。本モデルの確立により、ゼラチンハイドロゲルによるサイトカインの徐放が可能であることが示されただけでなく、増殖硝子体網膜症の病態解明や治療効果の評価に有効であることが期待される。また、マウスレーザー脈絡膜新生血管モデルを作製し、これらに対し、組織プラスミノーゲンアクチベータ(tPA)硝子体内注射したところ、フィブリン析出の減少と血管新生抑制を認めた。臨床でのtPAとラニビズマブの併用の有用性も報告しており、今後もtPAのVEGF阻害薬のみでは認めない有効性と安全性の基礎データを集積する予定である。また、新規DDSの開発研究を行っており、特許申請準備中である。
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