研究実績の概要 |
本研究の目的は、3.0×3.0mmのiPS細胞由来網膜色素上皮細胞シートを小切開(1.5mm)の創口から眼球内に移植可能な手術器具を開発する事である。本研究の研究計画は、『移植器具の開発』と『ヒトiPS-RPE細胞シートの作製』で構成されいる。移植器具の開発に関しては、カニューラの吸引口を眼球内への挿入方向から見て横側に設置し、また内部を渦巻状に加工することで、3.0×3.0mmサイズのiPSC-RPEシートを収納可能なカニューラを計画した。これまでにリアクトシステム社の協力のもと、渦巻き状の金属の作製、側面への金属と注射針の取り付けに成功し、作製したカニューラが液体の吸引と排出が可能であることを確認している。ヒトiPS-RPE細胞シートの作製に関しては、川崎医科大学においてRIKEN CELL BANKより提供されたヒトiPS細胞の維持培養、iPS-RPEへの分化誘導とiPS-RPE細胞シートの作製に成功しており、また作製したiPS-RPEが生体のRPEと同等の機能を有することを確認しこれを報告している。Kamao H, Kiryu J, etc. Kawasaki Medical Journal 155-162, 39 (2013)、Kamao H, Kiryu J, etc. Stem Cell Reports 2, 205-218 (2014)、Kamao H, Kiryu J, etc. Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 55, 8309-8318 (2014)
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