研究課題/領域番号 |
25462768
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 英之 東北大学, 大学病院, 講師 (40438461)
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研究分担者 |
田中 拡 東北大学, 大学病院, 助教 (50579448)
仁尾 正記 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70228138)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / 治療 / 層別化 |
研究概要 |
平成25年度は主に臨床データの整理および新たな解析手法による予後因子の探索を行なった。その成果をオーストラリアで開催されたPacific association of pediatric surgeonsで「ANALYSIS OF 59 BILIARY ATRESIA PATIENTS WHO REQUIRED LIVER TRANSPLANTATION FOLLOWING KASAI OPERATION IN A SINGLE INSTITUTION」として発表した。また第113回日本外科学会のパネルディスカッションでは「当科における胆道閉鎖症に対する術式の変遷と現行術式ならびに治療戦略」、第40回日本胆道閉鎖症研究会では「胆道閉鎖症の病態評価におけるビッグデータ活用について」という演題をそれぞれ発表した。 「ANALYSIS OF 59 BILIARY ATRESIA PATIENTS WHO REQUIRED LIVER TRANSPLANTATION FOLLOWING KASAI OPERATION IN A SINGLE INSTITUTION」においては胆道閉鎖症術後に肝移植に至る症例を検討して、その患者の特性について解析を行った。「当科における胆道閉鎖症に対する術式の変遷と現行術式ならびに治療戦略」では、胆道閉鎖症手術の術式の違いがその後の経過に与える影響について検討した。「胆道閉鎖症の病態評価におけるビッグデータ活用について」では胆道閉鎖症術後の採血ならびに機能的画像検査結果による予後因子の探索を行った。 これらの発表に関連した解析データは、今後行うmicroRNAの解析結果と照合、統合することで、本研究の目的である、これまでとは違った視点からの患者層別化に必須のデータである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は東日本大震災により、我々が主に仕事をしている研究室がある研究棟の耐震補修工事が行われた。これにより、研究スペースが一時的に仮移転先へ移転することが必要なった。これにより一番大きな影響を受けたのは、実験スペースであり、工事が行われている環境下で仕事をすることが要求された。 この事はRNA抽出を行うにあたっての大きな障壁となったので、こちらの方面の作業に滞りが認められた。一方で、あまり良好な環境とは言えないまでも、臨床データの整理については行うことが可能であったので、当該年度は主にこちらに注力して、作業を進めたので、上記自己評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には既存のホルマリン固定パラフィン包埋された葛西手術時採取の肝生検標本から抽出したRNAからmicroRNAのアレイによる解析を行う 具体的にはホルマリンパラフィン包埋された標本からのRNA抽出にはQIAGENのmiRNeasy FFPE Kitを用いてRNAの抽出を行う。抽出されたRNAがmicroRNAのマイクロアレイを行うに十分なクオリティがあるかについては千葉大学の関らの報告によりRNU6B, RNU44, RNU48といったsmall RNAsの発現が十分に保たれているものに限定して行うことでクオリティを担保した網羅的解析が可能と考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に行われた研究室がある研究棟の耐震補修工事が行われたことで、研究スペースが一時的に仮移転先へ移転することが必要なった。これにより一番大きな影響を受けた実験スペースの関連で、RNA抽出を行うにあたっての大きな障壁となったので、こちらの方面の作業に滞りが認められた。これによりこの実験に関連する消耗品への支出が当初の予定よりも減少したことと、解析用とPCも購入を見合わせたことにより、当初の支出額へ届かなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。 今年度は昨年に行う予定であった実験を行うことで、その実験に関わる費用を支出する予定である。また解析用のPCも必要となるのでそれに対する支出も行う予定である。
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