4s期神経芽腫のiPS細胞疾患モデルの作成のため,まずヒト線維芽細胞に山中4因子を導入し,iPS細胞への形質転換が行えることを確認した.各種成長因子を投与し,神経堤幹細胞への分化を試みたが,神経突起様構造を認めるものの,完全な分化は困難であった. そこで,神経芽腫における分化機構の解明のため,ヒト間葉系幹細胞(hMSC)と既存の神経芽腫cell lineとの共培養を試みたところ,神経突起の延長が認められ,hMSCの神経芽腫分化作用が認められた. この結果からhMSCの治療ポテンシャルが同定されたため,神経芽腫モデルマウスに対するhMSCの効果について,研究を進めていく予定である.
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