研究課題/領域番号 |
25462788
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
細川 亙 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20181498)
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研究分担者 |
冨田 興一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90423178)
西林 章光 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (00647133)
金澤 成行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50506243)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 再生医学 / 末梢神経 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 |
研究概要 |
本年度はラット自家dASCと同種無細胞化神経グラフトの親和性検討を重点的に行った。 1)ラットdASCおよびラット坐骨神経由来シュワン細胞の初代培養・・全ての細胞に蛍光タンパクGFPを発現するラット[LEW-Tg(CAG-EGFP)1Ys]の皮下脂肪組織を採取し、コラゲナーゼ処理、遠心分離によりASCを得た。第2継代目において、これまで申請者らが用いてきた手法、すなわちGGF-2をはじめとする増殖因子添加によりdASCへの分化誘導を行った。コントロール細胞としてGFPラット坐骨神経由来のシュワン細胞の初代培養も行った 。(2)同種異型無細胞化神経グラフトの作成・・SDラットより坐骨神経を採取し、過去にワシントン大学形成外科により報告されているプロトコールにより神経グラフトの無細胞化を行った。無細胞化処理後、切片を作成し観察したところ、僅かに生存しているnativeシュワン細胞が確認されるグラフトを認めた。これを解決すべく無細胞化処理時間を長めに設定するなど修正を加える必要があると考えられた。(3)dASCの同種異型無細胞化神経グラフトへの移植・・マイクロシリンジによる注入によりdASCを神経グラフトへ移植した後、一定期間in vitroにて培養を行った。その後グラフト内GFP陽性細胞の観察を行ったが、生存率に関してはグラフト間でその値にばらつきが見られた。1箇所より大量に注入した群においてはその生存率が低い傾向が見られたため、数箇所に分けて移植する必要があることが示唆された。 次年度はグラフト無細胞化法、細胞移植法の最適化を継続して行い、その後実際に動物モデルをを用いてその有用性を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GFPラットより必要な細胞の調達に成功した。神経グラフトの無細胞化処理法、細胞移植法に関してはさらに試行錯誤による修正が必要であるものの、概ね順調に進行しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はグラフトの処理法、細胞移植法の修正が終了次第、前年度で作成した各細胞を用いて実際の末梢神経損傷動物モデル作成を行う。そのモデルに関して機能的回復の経時的評価及び移植グラフトの形態学的評価を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度予算はほぼ使用したが、僅かに生じた残高に関しては消耗品の使用期限もあることから次年度予算として計上することとした。 繰り越した予算に関しては培養液等の消耗品予算に充てる計画である。
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