研究課題/領域番号 |
25462799
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
朝戸 裕貴 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20222581)
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研究分担者 |
野村 紘史 獨協医科大学, 医学部, 助教 (40513213) [辞退]
倉林 孝之 獨協医科大学, 医学部, 助教 (60513231)
梅川 浩平 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70458371)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脂肪幹細胞 / 人工骨 / 皮弁 |
研究実績の概要 |
近年、幹細胞から再生組織を作製し、移植材料とすることに期待がもたれている。注入による幹細胞の移植では、移植床の状態によって生着率が大きく左右される。そこで、脂肪幹細胞から作製した再生組織を追加した皮弁を健常な部位にprefabricated flapとして作製した。Prefabricated flapを移植することで、条件の悪い部位でも有用に再生組織を移植できるようになると考え、基礎実験を行った。 ラット腹部から脂肪を採取し、脂肪幹細胞を抽出した。脂肪幹細胞を骨分化誘導培地で3週間培養し、骨芽細胞・破骨細胞に分化させた。アルカリフォスファターゼ染色、酒石酸耐性酸性フォスファターゼ染色により骨芽細胞、破骨細胞への分化の確認をした。同様に脂肪幹細胞を人工骨と共培養した。人工骨は多孔性ハイドロキシアパタイトを使用した。3週間培養後、アルカリフォスファターゼ染色を行い、人工骨上で骨芽細胞が培養されていることを確認した。脂肪幹細胞と共培養した人工骨をラット背部皮下に移植し、移植後2週間目に有茎皮弁を作製した。有茎皮弁作製後2週間目で皮弁を採取し、病理学的に検討した。人工骨は表層だけではあるが、アルカリフォスファターゼ染色で染色され、骨基質を形成していることが確認された。 染色されたのは人工骨表層のみにとどまっていたが、prefabricated flapとして人工骨を使用した再生骨の作製が可能であることが示唆された。しかし、現時点では骨細胞は人工骨表層にとどまり、限界がある。分化誘導した骨芽細胞のみでは骨としての強度を期待することができず、移植に適さない。人工骨を足場として三次元に培養し、移植することができるようになるためには課題が多い。また人工骨表層に播種された骨細胞が、移植後長期経過した際に、生体内でどのように挙動するかはこれからの研究課題である。
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