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2014 年度 実施状況報告書

脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた凍結同種皮膚移植と自家培養表皮移植の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25462805
研究機関日本大学

研究代表者

仲沢 弘明  日本大学, 医学部, 教授 (60180270)

研究分担者 副島 一孝  日本大学, 医学部, 准教授 (00246589)
下田 勝巳  日本大学, 医学部, 助教 (00266793)
樫村 勉  日本大学, 医学部, 助教 (20570740)
松本 太郎  日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脱分化脂肪細胞
研究実績の概要

平成25年度に引き続き、脱分化脂肪細胞(DFAT)の免疫抑制効果による同種皮膚移植の生着期間延長の検討を行った。
ブタ(BW15kg, ♂)から1.皮下脂肪を採取しDFATを単離培養した。2.14/1000inch厚の分層皮膚を採取しグリセリンを凍結保護剤として-90℃で1か月間凍結保存を行った。3.背部に3×3cmの全層皮膚欠損創を12カ所作成し、解凍した分層皮膚を別個体のブタへ同種皮膚移植を行った。移植部を対照群(PBS液0.1mlを注入 n=4)、治療群(ドナーのDFAT1×105cells/0.1mlを注入, n=4)の2部位に分けた。術後1,2,3週目に肉眼的および組織学的評価(H-E染色ならびにCD4免疫染色)を行った。
肉眼的所見では術後7日目に、生着域が対照群で37.6%であったのに対して治療群では64.9%であった。組織学的検討において、術後1週で対照群では移植皮膚片全層に炎症性細胞浸潤を認め表皮の脱落を認めたが、DFAT治療群ではそれらは真皮深層に限局しており表皮の脱落も見られなかった。エラスチカワンギーソン染色では、両群で継時的に移植真皮の膠原繊維の減少を認めた。CD4染色では、明らかな差異を認めなかった。両群いずれも術後2週以降で表皮は脱落し、植皮片の真皮膠原線維の減少を認めた。また、術後1週間でDFATを追加投与する群を同様に作製したが、明らかな同種皮膚の生着延長効果は認めなかった。
DFATの皮膚移植時の単回治療群において、術後1週に一定の免疫抑制効果を認めた。実験成果につき第23回日本形成外科学会基礎学術集会で発表した。今後、自家培養表皮移植の生着率向上についても検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ブタの同種皮膚移植ならびに免疫染色による組織学的検討を行った。ブタの植皮後の術後創部管理に課題があり、適正な術後創部管理法の確立に時間を要した。また、免疫染色(エラスチカワンギーソン染色ならびにCD4)のプロトコール作成に時間を要し、外注による免疫染色を行った。また、生着期間延長効果を得る効率的な投与法について検討を行ったため。
平成27年度は、実験個体数を増やしDFATの至適投与法について検討した後に自家培養表皮移植に関する検討を行う。

今後の研究の推進方策

主に以下の2項目の研究を行う予定である。
①ブタの同種皮膚移植の生着期間延長効果についての検討
これまでの実験モデルを使用し、DFATの投与時期や投与量や投与方法などの条件を変更し最も生着期間を延長しうる至適投与法についての検討を行う。
②ブタの同種皮膚移植後自家培養表皮の生着率についての検討
①でえられた至適投与法に基づきDFATの投与を行い、自家培養表皮移植の生着率についての検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

他系統の実験動物・器具・薬剤を共用することにより使用額の削減が可能であった。また、実験プロトコール作成に時間を要したため予定した実験が行えず余剰金を生じた。

次年度使用額の使用計画

平成27年度は、DFATの複数の投与方法や自家培養表皮移植の実験など複数の実験系を予定している。
また、研究成果を国際学会で発表予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脱分化脂肪細胞(DFAT)による凍結保存同種皮膚移植片に対する免疫抑制効果の検討2014

    • 著者名/発表者名
      樫村 勉、副島一孝、下田勝巳、仲沢弘明、風間智彦、松本太郎、小沼憲祥、石岡茂樹
    • 学会等名
      第23回日本形成外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      キッセイ文化ホール(長野県・松本市)
    • 年月日
      2014-10-09 – 2014-10-10

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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