研究課題/領域番号 |
25462805
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
仲沢 弘明 日本大学, 医学部, 教授 (60180270)
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研究分担者 |
副島 一孝 日本大学, 医学部, 准教授 (00246589)
下田 勝巳 日本大学, 医学部, 助教 (00266793)
樫村 勉 日本大学, 医学部, 助教 (20570740)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脱分化脂肪細胞 / 同種皮膚移植 / 自家培養表皮 |
研究実績の概要 |
前年度に続き、脱分化脂肪細胞(DFAT)による同種皮膚移植の生着期間延長の検討を行った。前年度と同様の実験系を使用した。ブタD,GよりDFATの調製ならびに分層皮膚の凍結保存を行った。ブタの背部に全層皮膚欠損創を8か所作成し、同種皮膚移植を行った。術後1週目の生着域は、ブタDの対照群が66.7%、DFAT投与群が78.9%とDFAT投与群の生着域が大きかったが、ブタGでは対照群が30.5%、DFAT投与群が19.7%であった。肉眼的に生着が確認できた部位では、植皮片内への炎症性細胞の浸潤が抑制されていた。術後2週目以降は、全群で肉眼的にも組織学的にも植皮片が拒絶されていた。 さらに、本年度は自家培養表皮移植術の実験を施行した。ブタXより全層皮膚を採取しDispaseにより表皮・真皮に分離した後、Greenの3T3 feeder layer methodにより自家培養表皮シートを作成した。ブタXの背部に3×3㎝の全層皮膚欠損創を24カ所作成した。全層皮膚欠損創には、ブタD,Gから採取した凍結保存皮膚とDFATの移植を行った。術後1週間で、ブタGの植皮生着域は、対照群が25%、DFAT投与群が54%であった。一方で、ブタDの同種皮膚は、対照群、DFAT投与群ともに拒絶されていた。同日、植皮片の表皮を剥削し同種真皮上に自家培養表皮移植を施行した。自家培養表皮移植後1週目で自家培養表皮は全群で良好に生着していた。対照群とDFAT投与群では、差異を認めなかった。自家培養表皮移植後2週目以降では、いずれの群でも温存した同種皮膚から脱落した。 同種皮膚移植においてDFATは、一定の生着期間延長効果をもつことが示唆された。しかしながら、自家培養表皮移植における生着率向上効果については、本実験系では確認できなかった。本年度は、これらの研究成果を国際学会で2回と国内学会で1回発表した。
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