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2013 年度 実施状況報告書

糖尿病性創傷治癒障害における血清由来Nanoparticleの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25462808
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

河合 建一郎  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80423177)

研究分担者 西本 聡  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30281124)
藤田 和敏  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40461066)
垣淵 正男  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50252664)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード血清由来Nanoparticle / 糖尿病 / 創傷治癒 / Adiponectin / Calreticulin
研究概要

かつて極めて微小な病原体、あるいは生命体の祖先ではないかと議論となっていたものにNanobacteriaがある。近年これは蛋白やカルシウムイオン(Ca2+)といった 血清に由来する物質が結晶化した血清由来Nanoparticleであることが解明された。Nanobacteriaに病原性があると思われていたことから、血清由来Nanoparticleは何らかの生理作用を有するものと考えられる。本研究の目的は、そのような血清由来Nanoparticleの役割や作用について、創傷治癒、特に糖尿病性創傷治癒遅延の病態との因果関係の観点から調査することである。
(研究実績)Nanoparticle(以下NP)形成・分解条件の検討としてNP作成の際にMediumの酸化度合いを変化させることで産生されるNPの形態的・性質的変化が生じることを確認した。NPの簡易定量法の確立として吸光度計を用いてのNP濃度測定はこれまでのところ成功していないが、伝導率から間接的に濃度を測定する方法についてはある程度の再現性があり、これまで10cm Dish内でconfluentになったNPを一定量の溶媒で希釈したものを1単位としていたものと比べるとより厳密に測定できるようになった。Adiponectin蛋白の大量作成系の確立としてGST結合Adiponectin蛋白をIPTG inductionした大腸菌から作成することを試みた。大腸菌のWhole Lysateを,抗Adiponectin抗体を用いたWestern Blot法にて調べたところExpected size(Adiponectin+GST)にバンドが見られ蛋白は作成されていることが確認された。しかしながら次にGST結合カラムを用いて精製を試みているもののまだ成功していない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

血清由来Nanoparticleの生成方法や測定などは成功しており、またマウスへの投与実験でも創傷治癒が促進し、機能的なNanopartcleの産生についても成功している。Transformationした大腸菌にIPTGを用いてのアディポネクチン蛋白作成はSmall scaleでは成功している。

今後の研究の推進方策

大腸菌により目的の蛋白は作成されているが、カラム精製段階による大量作成系の確立に難渋している。Western Blot法にて抗Adiponectin抗体にて蛋白をDetectできているためAdiponectin部分は蛋白が作成されていると考えられる。この後GST結合カラムに大腸菌のWhole Lysateを通しGST部分でカラムに結合させ、EnzymeにてGSTとの結合部分を cutした後eluteするという方法で精製を試みているが、eluteしたどのfractionにも目的の蛋白がみられない。カラムに問題があるかと考え、新しいカラムを購入し交換したが問題は解決されていない。またpHや塩濃度の問題も考え、Whole Lysateを透析するなどしてみたが同様の結果であった。今後解決策としてEnzymeでなくGST蛋白をカラムにいれることで競合させeluteする方法を試みる予定である。また、プラスミド作成の際sequenceは確認しているが、frame shiftなどによりGSTが作成されていない可能性も考え、抗GST抗体を用いてGST部分が正確に作成されているか調査する。

次年度の研究費の使用計画

予定していた実験のうちRecombinant adiponectin蛋白を添加して作成したNanoparticleの添加実験は、Recombinant adiponectin蛋白の作成に難渋しており未実施のため。
現在Recombinant adiponectin蛋白の大量精製の条件検討中であり、上記未実施分の実験についてはRecombinant adiponectin蛋白の大量精製ができ次第本年度の計画分に合わせて実験を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 皮膚創傷治癒過程における血清由来Nanoparticle の役割2013

    • 著者名/発表者名
      河合建一郎 Barrett J. Larson
    • 雑誌名

      兵庫医科大学医学会雑誌

      巻: 38 ページ: 77-82

    • 査読あり
  • [学会発表] Serum derived nanoparticles increase the rate of cataneous wound closure2013

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Kawai, Barrett Larson, Hisako Ishise, Antoine L. Carré, Soh Nishimoto, Michael T. Longaker, H Peter Lorenz, Masao Kakibuchi.
    • 学会等名
      The 22nd China-Japan Joint Congress on Plastic Surgery
    • 発表場所
      Dalian, China
    • 年月日
      20130823-20130825

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公開日: 2015-05-28  

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