研究課題/領域番号 |
25462809
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
澤村 淳 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00241448)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 敗血症病態 / サイトカイン / IL-6 / TNF-αKO / 遺伝子治療 / Western Blotting / 敗血症脳症 / TNF-α |
研究概要 |
敗血症脳症についての以前の研究では、敗血症病態が強く惹起される部位としては第三脳室周辺の基底核あるいは深部大脳白質ではないかと考えており、定量的解析を急いでいるところである。 更に敗血症病態におけるサイトカインのバランス機構を詳細に解析することによって敗血症病態における標的遺伝子を同定し、それに対する遺伝子治療を確立するものである。敗血症病態に対する治療として特効薬は現在までのところ存在せず、前回の研究に関連し非常に重要なテーマであると考えている。 定量的なRelative mRNAについてはTLR2においてコントロールに比べ24時間後に高い傾向を示したが、有意差は確認できなかった。またTLR4についてはコントロールに比べ有意に高値を示した(p<0.05)。そしてTLR9についてはコントロールに比べ48時間後に高い傾向を示したが、有意差は確認できなかった。 病理組織学的な結果であるが、第三脳室周辺の基底核あるいは深部大脳白質周囲に炎症反応が強く出現することを期待していたが、各種免疫組織学的染色においても有意な結果が得られなかった。逆に言うと、敗血症性脳症では空間特異性がなく全脳性に炎症反応が急激に拡散する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
文部科学省にて平成24年度国立大学法人等施設整備費事業として国立大学等の防災対策(施設の耐震化等)を実施する(平成24年11月30日決定)こととなり、医学研究科附属動物実験施設の改修(耐震化)が事業の一つとして選定された為、北海道大学医学研究科附属動物実験施設が、防災対策(施設の耐震化等)を実施することとなり、移転作業等の為、H25年度は動物実験を行う事が不可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は秋頃から動物実験施設が使用可能となるので、鋭意実験を推進していく所存である。ただし、使用する予定のTNF-α KOマウス、IL-6 KOマウスが、種々の理由により個として動物実験施設から搬出することができず、精子・卵として保存しているため、ホモとして繁殖するためにはさらに数か月を要する見込みである。
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次年度の研究費の使用計画 |
文部科学省にて平成24年度国立大学法人等施設整備費事業として国立大学等の防災対策(施設の耐震化等)を実施する(平成24年11月30日決定)こととなり、医学研究科附属動物実験施設の改修(耐震化)が事業の一つとして選定された為、北海道大学医学研究科附属動物実験施設が、防災対策(施設の耐震化等)を実施することとなり、移転作業等の為、25年度は動物実験を行う事が不可能であったため。 IL6KOマウス、TNF-αKOマウスの購入、飼育、Western Botting、ELISAキット、LPS、mAbIL6/mAbTNFα抗体、STAT3/SOCS3抗体、rtTNFα/rtIL6抗体等を購入。TNF-α KOマウス、IL-6 KOマウスのホモとして繁殖させ、重症敗血症(Sepsis)病態におけるTNF-α/IL-6バランスの検討を行い、重症敗血症(Sepsis)病態におけるSTAT3とSOCS3の活性化の検討を行う予定である。社会、国民に発信するため、国内・国際学会発表、国際的学術雑誌への英文発表へも使用する。
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