我々は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を敗血症における多臓器不全(MODS)の潜在的な因子であり、各臓器内で特異的な役割を担っていることを発見した。現在のプロジェクトにおいて、早期敗血症のMODSに対してエンドセリン拮抗薬、プロテアーゼ受容体2(PAR2)阻害剤、VEGF受容体拮抗薬、超短期βブロッカーを薬剤的介入として使用している。本報告書において、超短期βブロッカー「ランジオロール」の早期敗血症における心臓組織のVEGF下方制御の機序を報告する。事実、心筋機能不全は心筋VEGFの低下と共に敗血症に多く合併しており、βブロッカーは心筋VEGFの正常化に極めて重要な役割を担っている。
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