今回の研究では重度の全身性炎症反応時における、血小板由来マイクロパーティクルの影響に関してラットを用いて検討した。LPS誘発全身性炎症反応モデルラットを用いて、体外循環施行時の膜素材の違いを検討するため、EVOH膜、APS-SA膜、VPS膜其々で検討を行った。正常ラットでは体外循環後の血液中PDMP濃度に変化はなかった。一方、炎症時にはAPS-SA膜で、透析直後よりPDMPが上昇したが、VPS膜では上昇しなかった。EVOH膜では、シャム群と同じ傾向を示した。 重度の全身性炎症反応時において、膜素材の違いにより血液中のPDMP濃度に変化が生じており、治療効果に影響を与えている可能性が示唆された。
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