①骨髄移植後の皮膚創傷治癒の検討:オステオポンチン ノックアウト(KO)マウスをドナーとした野生型(WT)マウスの皮膚の創傷治癒は、WTマウスをドナーとしたKOマウスに比べ遅延していた。免疫組織化学的検討では、骨髄がKOマウスの方がWTマウスに比べαSMA、F4/80陽性細胞の発現は低下していた。また、新生肉芽組織のReal-time RT-PCRにてもαSMA、F4/80陽性細胞の発現は低下していた。以上より、OPNの骨髄由来のマクロファージが、シグナルに影響していることが考えられた。 ②シグナル阻害薬投与によるSmadシグナルの検討:KOマウスとWTマウスの胎児由来の線維芽細胞(MEF)にMAP kinase inhibitor、PI3 kinase inhibitorを添加した後にTGFβ1を添加し、リン酸化Smad2の核への集積を観察し、Real-time RT-PCRにてαSMA、コラーゲンIa1の発現を検討した。WTマウスに比べ、KOマウスではTGFbのシグナルが抑制されていた。また、中和抗体添加によってWTマウスのTGFbのシグナルは抑制されていた。 ③OPN中和抗体の影響:OPN中和抗体をWTマウスのMEFに添加した後にTGFβ1を加え、細胞外マトリックス、サイトカインおよびSmadの発現を検討した。中和抗体添加でフィブロネクチン、コラーゲンIa1、αSMAの発現は抑制された。
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