研究成果の概要 |
β2アドレナリン受容体(β2-AR)とグルココルチコイド(GC)の組み合わせによる抗炎症効果の相加・相乗作用が、敗血症による急性腎傷害(AKI)の防止に有用かどうか検討した。その結果、β2-AR過剰発現の腎臓にGCを投与すると、敗血症による腎機能低下・炎症反応が、cAMP-PKA, CB-1,CD14-TLR4 -TNF-α伝達経路を介して回復できた。さらに循環中のNOとANG II、腎臓ヒストン酵素を調節しTNF-α遺伝子発現転写を抑制することで、生存率が回復した。以上から、β2-ARとGCの組み合わせる療法は、TNF-α細胞内伝達経路を通じて敗血症AKIからの防御効果を示すことを証明した。
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