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2015 年度 実施状況報告書

血液脳関門通過性オキシム類による有機リン中毒の解毒に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25462845
研究機関科学警察研究所

研究代表者

太田 彦人  科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (40392261)

研究分担者 櫻田 宏一  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10334228)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードAChE活性測定 / MATP+
研究実績の概要

予定している動物実験(ラット脳内アセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性回復実験)に先立ち,ラット脳及びラット全血中のAChE活性測定法の検討を行った.ラット脳からのAChE抽出については,従来のブレード型ホモジナイズとビーズを用いた室温/凍結粉砕を比較した結果,室温粉砕法が最良であった.超音波処理を併用することでさらにAChE抽出効率は向上した.全血については,生理食塩水リン酸緩衝液で希釈するのみで測定可能であった.
全血のAChE活性測定については,血漿由来酵素の妨害を避けるため,従来は血漿を洗い流して血球のみを取り出す煩雑な作業が必要であったが,AChEに特異的に反応する新規試薬MATP+を用いることで,全血を直接測定可能となった.
また成果が学術論文1報に掲載された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究は平成26年度までは予定通り進捗し,平成27年度に動物実験を行い終了予定であったが,平成26年度末に動物実験担当者が他部署と兼務となり以降動物実験を行えなくなったため遅れが発生した.そのため平成28年度までの期間延長をお願いすることとなり,承認された.平成27年度は,動物実験に必要な各種分析・測定法の開発を行った.

今後の研究の推進方策

平成27年度までの研究により,有機リン剤により阻害されたAChEを回復可能で,血液脳関門を通過し,水溶性で点滴剤として使用可能で,かつ毒性の低い新規解毒剤4-PAOを見出した.
平成28年度中に,本解毒剤4-PAOを用い,実際に有機リンにより阻害された脳内AChEの活性を回復可能か動物実験で確認する.すなわち,ラットにサリン類似化合物INMPを投与し,有機リン中毒状態に陥らせた後に4-PAOを投与し,血中及び脳内AChEがいずれも回復するかどうかを測定する.

次年度使用額が生じた理由

本研究は平成27年度に動物実験を行い終了予定であったが,平成26年度末に動物実験担当者が他部署と兼務となり動物実験を行えなくなり遅れが発生し,そのため平成28年度までの期間延長をお願いすることとなり認められた.平成27年度は,動物実験に必要な各種分析・測定法の開発を行ったが,動物実験の分の額は使用されなかったため,その分が次年度使用額となった.

次年度使用額の使用計画

本来H27年度に行う予定であった動物実験を,H28年度に行う.すなわち,ラットにサリン類似化合物INMPを投与し,有機リン中毒状態に陥らせた後に新規解毒剤4-PAOを投与し,血中及び脳内AChEがいずれも回復するかどうかを測定する.これにより,実際に有機リンにより阻害された脳内AChEの活性を回復可能かを確認する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The Forgotten or Underestimated Relevance of Biopharmaceutical-Based Assessments for the Oral Absorption Studies of Oxime Reactivators2016

    • 著者名/発表者名
      Victor A. Voicu, Andrei Valentin Medvedovici, Koichi Sakurada, Hikoto Ohta, Flavian Stefan Radulescu, Dalia Simona Miron
    • 雑誌名

      Expert Opinion on Drug Metabolism and Toxicology

      巻: 12(7) ページ: 743-752

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1080/17425255.2016.1179282

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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