研究課題/領域番号 |
25462849
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 クン 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40207460)
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研究分担者 |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10547516)
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
朔 敬 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40145264)
阿部 達也 新潟大学, 医歯学総合病院, レジェンド (70634856)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 浸潤制御 / 実質-間質 / 分子病理学 |
研究概要 |
(1) 免疫組織細胞化学的実験と三次元再構築:口腔粘膜扁平上皮癌の外科摘出材料フォルマリン固定パラフィン包埋標本について、それぞれパールカンほかのECMあるいは細胞骨格・細胞死関連分子の免疫組織化学の結果をもとに、連続切片200枚作製し、ECM分子とケラチン分子種とで腫瘍性間質と癌胞巣を識別し、バーチャルスライド法で写真撮影を行い、三次元的に再構築した。癌胞巣と腫瘍性間質の三次元的関連を明らかにし、浸潤癌の胞巣の連続性・分離性を検討するとともに腫瘍性間質の誘導レベルとの相関性について検討し、口腔癌の浸潤性の定義を客観的に行った。さらに、口腔癌角化胞巣について連続切片法で解析し、いわゆる癌真珠の崩壊にいたる自然史を明らかにした。 (2) 組織切片の選択的切り出し回収:免疫組織化学的に描出した連続切片を参考にして、浸潤癌の粘液様基質をともなう線維芽細胞主体の間質と実質とを、上皮内癌では癌胞巣周囲結合組織層と上皮層あるいは側方進展部界面を、扁平上皮癌では、癌胞巣最外層、傍基底層、中層部、胞巣周囲間質、遠位間質を区別して回収し、遺伝子ならびに蛋白質抽出実験に提供できるように準備した。 (3) 細胞培養実験:ヒト舌扁平上皮癌由来細胞 MK-1、ZK-1、ZK-2細胞と OF-1などヒト由来株化線維芽細胞あるいはヒト末梢血由来単球を、直接・間接接触の単層共培養実験をおこない、混合比率や検索すべき分子・遺伝子のスクリーニングを行った。単層培養では、界面部を主体に、実質・間質胞巣について区別回収を試み、その効率化を検討した。新たに検討した分子は connexin 43 などの gap junction 分子と claudin 1・zonula occludens 1 などの tight junction分子である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的に当初の研究の目的と計画に沿って実験を進めてきている。とくに、口腔粘膜扁平上皮癌の外科摘出材料フォルマリン固定パラフィン包埋標本について、連続性切片を作製し、パールカンをはじめとする細胞外基質関連分子の免疫組織化学的結果をもとに、癌細胞と腫瘍性間質の三次元構築を完成して、その実質と間質の相関性を検討した結果を論文にまとめて発表し、口腔扁平上皮癌の浸潤の概念とその臨床的判定法に新たな局面を開き得たのは大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍細胞の三次元培養は、今後の研究の推進にもっとも重要なステップになるので、来年度以降は、適切な条件で培養細胞レベルの三次元構築を目標に実験を重ねて行く方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
免疫組織化学的な実験をおこなうための抗体を購入する予定でしたが、輸入品の抗体の価額が増額したため、翌年度分の請求した助成金とあわせて、使用することにしました。 上記とおり、抗体を購入する予定です。
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