| 研究課題/領域番号 |
25462857
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| 研究機関 | 広島大学 |
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研究代表者 |
小川 郁子 広島大学, 大学病院, 講師 (70136092)
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| 研究分担者 |
高田 隆 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 教授 (10154783)
北川 雅恵 広島大学, 大学病院, 助教 (10403627)
宮内 睦美 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 准教授 (50169265)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 唾液腺 / 腫瘍 / 病理診断 / 融合遺伝子 / 粘表皮癌 / 腺様嚢胞癌 / 転移 |
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| 研究実績の概要 |
多彩な組織像と多様な生物学的態度を示す唾液腺腫瘍の確定診断ならびに悪性度判定に有用なタンパクあるいは遺伝子の変化について検索し，それを臨床応用することを目的として，形態学的、分子生物学的な解析を行った．平成27年度は，これまでに引き続き，臨床材料を用いたRT-PCR法により融合遺伝子（CRTC1/3-MAML2, ETV6-NTRK3）の検討を行い，実際の診断にも適応して嚢胞腺腫との鑑別を要した粘表皮癌の症例について論文を発表した．また，粘表皮癌と明細胞癌, NOSとの鑑別が問題となった明細胞が主体の腫瘍についても検討し，学会で発表した．種々の腺癌で発現が上昇し，癌の進展や予後との関係が報告されているRegⅣは，腺様嚢胞癌症例でも39例中18例（46.2%）で発現がみられた．陽性例では10例（55.6%）に転移があり，一方，陰性例での転移は5例（23.8%）で，RegⅣと転移とに相関性がみられた．RegⅣ陽性例ではpEGFRも陽性である例が多く（12/18例 66.7%），両者の関係が示唆された．一方，survivin発現との関係は明らかではなかった．MMP-7に関しては，腺様嚢胞癌ではすべての症例で細胞質に強い陽性反応がみられ，浸潤性格に関わっていると考えられるが，転移との関係はなかった．粘表皮癌では染色性が弱い傾向にあり，組織学的悪性度との関連は明らかではなかった．癌抑制遺伝子としての作用が報告されているRunx3は，正常唾液腺では核に発現がみられたが，腺様嚢胞癌では核内での発現低下が20例（51.3%）にみられ，細胞質内での発現亢進があり，局在による機能の違いが示唆された．腺様嚢胞癌で高率に生じているMYB-NFIB融合遺伝子のsurrogateとしてMYBタンパクの発現を用い，鑑別診断への有用性を検討した結果，25例中11例（44%）に陽性がみられ，一方，多形腺腫例での染色性は明らかではなかった．
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