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2016 年度 実績報告書

口腔病変における癌/上皮幹細胞への微小環境の作用

研究課題

研究課題/領域番号 25462864
研究機関長崎大学

研究代表者

藤田 修一  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (00181355)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード扁平上皮癌 / リンパ節転移 / marginal histiocytosis / CCL2 / CCR2 / 微小環境 / CAF
研究実績の概要

当初の研究期間を1年延長したが、最終年度にあたり、いままでの研究成果の総括および論文投稿を行った。
口腔扁平上皮癌はしばしば顎下・頸部リンパ節に転移をきたす。本研究の目的は、癌転移において転移に適した微小環境がリンパ節に形成されているかを検討することにある。癌関連マクロファージ(TAM)が微小環境の形成に関係があることを想定し、そのリクルートに関係するCC chemokine receptor-2(CCR2)とCC chemokine receptor-2 ligand(CCL2)の局在を免疫組織化学的に検討し、さらに転移リンパ節においての癌関連線維芽細胞(CAF)の同定を試みた。
頸部郭清例を研究対象とし、リンパ節転移のある群とない群に分けて検討した。リンパ節転移のある症例では、原発や転移巣でのCCL2陽性好中球(癌関連好中球 TAN)がリンパ節周辺洞に流入し、TAMの増加によるmarginal histiocytosisを誘導していることが判明した。さらにリンパ節に集積したTAMに連続して、SMA陽性の紡錘形細胞があり、この部位に癌細胞の転移が認められた。CAFの特異的なマーカーは見出されていないが、SMA陽性紡錘形細胞はCAFと考えられる。
以上の結果から、口腔扁平上皮癌は原発腫瘍実質に由来するCCL2だけでなく、原発腫瘍周囲に浸潤したTANおよびリンパ節周辺洞に流入したTANに分泌されたCCL2によって周辺洞にCCR2陽性TAMがリクルートされ、集積する。これによってリンパ節転移に適した、CAFを含んだ微小環境が形成されると考えられた。CCL2-CCR2 axisが口腔扁平上皮癌のリンパ節転移に大いに関係していることが示唆された。
これらの成果はJ Oral Maxillofac Surgに投稿し、掲載に至った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] The CCL2-CCR2 Axis in Lymph Node Metastasis From Oral Squamous Cell Carcinoma: An Immunohistochemical Study2017

    • 著者名/発表者名
      Fujita S, Ikeda T
    • 雑誌名

      J Oral Maxillofac Surg

      巻: 75 ページ: 742-749

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1016/j.joms.2016.09.052

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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