研究課題/領域番号 |
25462867
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
嶋 香織 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10343526)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 多発癌 / epigenetics |
研究実績の概要 |
本研究は、口腔内に異時性あるいは同時性に発生した多発(重複)性扁平上皮癌における、病変部と非病変部組織でのepigenetic変化 (DNAメチル化)を解析し、多発性口腔扁平上皮癌の発生メカニズムを解明することを目的としている。口腔扁平上皮癌の発生は、多因子によるものとされており、原因、責任遺伝子についての報告は多数ある。これまで、口腔扁平上皮癌に関連するとされてきた癌抑制遺伝子のメチル化について定量的PCR法により解析する。 本学倫理委員会の承認を受けて、2001年から2010年間に鹿児島大学歯学部病院で、口腔扁平上皮癌の病理組織診断を得た症例480例のうち、口腔内に異時性あるいは同時性に発生した多発(重複)性扁平上皮癌において、25例を抽出した。そのうち、病理診断に用いた病変部のパラフィンブロックを10umの厚さに薄切し、Bisulfite処理DNA抽出を行い、上記の遺伝子のメチル化について検索中である。これらのメチル化を数値化、定量化し、分布を検証してcut off値を設定後、大腸癌で報告されているような、CIMP-low, CIMP-highグループに分類し、生存分析によって予後の比較を行う。その際、年齢、性別、組織分化度、病期を加えた、多変量解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究は大幅に遅れている。その理由は、所属部局の人事異動に伴い、他業務へのエフォートが著しく増加し、本研究のエフォートがほとんど達成されたかったためである。また、症例の予後調査の段階で、治療歴とその後の経過観察が不十分な症例が多数、存在することが判明したため、生存分析が行えないことが分かったためである。
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今後の研究の推進方策 |
上記理由の改善は新年度には見込めないため、計画を変更し、症例数と検索遺伝子を削減することで対応する。また、研究協力者として申請はしていないが、技術職員のテクニカル面でのサポート部分を増加してもらう。 予後調査については、可及的にリコールをかけてもらうが、それでも見込めないときは、臨床データと合わせた多変量解析のみで、生存分析は行わない形でまとめる。また、倫理委員会への提出書類の訂正が必要となるが、2000年以前の症例についても遡って、データベースに加える予定である。
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