研究課題/領域番号 |
25462868
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小松澤 均 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90253088)
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研究分担者 |
松尾 美樹 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20527048)
大貝 悠一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40511259)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯周病原因菌 / ミュータンス菌 / バクテリオシン / 糖代謝 |
研究実績の概要 |
平成26年は以下の点について検討を行った。 ①A. actinomycetemcomitansのsmall RNA解析:昨年度からの継続研究であり、本年度はRNA-seq解析を行った。解析の結果、十数個のsmall RNAをコードする遺伝子領域を検出できた。検出された遺伝子はこれまでに報告されているものと一部一致した。これらの遺伝子を定量性PCR法によりさらに発現の有無について検討を行い、数種のsmall RNAを推定した。しかし、RNA-seq解析においてrRNAの検出量が低いことから、全てのsmall RNAの解析が行えていない可能性が示された。 ②化膿レンサ球菌のバクテリオシン感受性に関与する二成分制御系因子の解析:昨年度からの継続研究であり、乳酸菌の産生するナイシンの感受性に関与する二成分制御系因子(TCS)の解析を行った。TCSの制御下にあるナイシン耐性因子の本体を検討するため、TCS周辺領域の遺伝子発現、変異株の作製を行い、ナイシン耐性にトランスポーターが関与していることを明らかにした。また、このトランスポーターの抗体を作製し、タンパクレベルにおいてもナイシン作用時に発現増大が認められた。 ③ミュータンス菌の糖代謝に関与する遺伝子発現解析:S. mutansの細胞壁合成と解糖系に糖を分配する因子について解析を行った。糖分配に関与する因子であるNagBの調節性因子のNagRを同定した。もう一つの分配に関与する因子であるGlmSの調節性因子について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNA-seqの解析も本年度に行い、今後の検討課題も明確化されてきている。 レンサ球菌の研究についても、化膿レンサ球菌については一区切りの段階に来ている。ミュータンス菌についてはさらに検討の余地はあると考えるが、全体としてはおおむね順調である。しかし、様々な菌を用いた検討がなされていない点が課題である。
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今後の研究の推進方策 |
①A. actinomycetemcomitansについては平成27年度の研究でsmall RNAについては全容を明らかにするため、再度サンプル調整について検討後、RNA-seq解析を行う予定である。最終的には種々の培養条件での各small RNAの発現を解析する。また、RNA-seqの結果からペプチドの発現が認められるものについては、抗菌性の有無について検討を行う。 ②化膿レンサ球菌については、論文作成に向けての最終的なデータ出しを行う。 ③ミュータンス菌についてはGlmSの発現性調節性因子の同定および解析を行う。特にリボザイムとしての活性の有無について明らかにし、発現調節がRNAレベルかタンパクレベルであるのかを明らかにしていく。
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