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2014 年度 実施状況報告書

糖尿病性歯周炎発症の分子機構の解明と治療薬開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 25462869
研究機関九州歯科大学

研究代表者

張 皿  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00326472)

研究分担者 自見 英治郎  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
松尾 拡  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
福島 秀文  福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (70412624)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード糖尿病性歯周炎 / レプチン / 破骨細胞
研究実績の概要

糖尿病性歯周炎では、他の歯周炎に比べ重症化・慢性化がみられ、通常の歯周病治療では十分な効果が得られないことも多い。このことから糖尿病性歯周炎にはなんらかの重症化のメカニズムの存在が考えられる。そこで本研究では、糖尿病性歯周炎の病態メカニズムを明らかにするために、Ⅱ型糖尿病モデルマウスであるレプチン受容体欠損マウス(db/dbマウス)を用いた歯周炎モデルを作製した。野生型およびdb/dbマウス右側第一大臼歯頬側よりLPS(20 μg/匹)を週3回4週間投与し、第一大臼歯根分岐部でμCT撮影し歯槽骨の吸収状態を評価したところ、db/dbマウスでは著明な歯槽骨吸収が認められた。さらに吸収部位には多数の破骨細胞が認められた。マウス骨芽細胞および骨髄細胞はレプチン受容体を発現していた。さらにマウスの骨髄細胞と頭蓋冠由来の骨芽細胞をLPS存在下で共存培養し、レプチンを添加するとレプチンの濃度依存的に破骨細胞形成が抑制された。また、レプチンはLPS刺激による骨芽細胞のOPGの発現には影響せず、RANKLの発現の上昇を抑制した。一方、レプチンはマウス骨髄細胞にも作用してM-CSFとRANKLによって誘導される破骨細胞形成を抑制した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨芽細胞に作用してLPS刺激によるRANKL発現の上昇を抑制すること、さらに破骨細胞前駆細胞に作用してRANKとM-CSF受容体c-fmsの発現を抑制することで破骨細胞形成を抑制することがわかった。以上より、今年度計画した骨芽細胞および骨髄細胞におけるレプチンの作用点を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

レプチン補充両方は既に脂肪萎縮症の治療等に臨床応用されていることから炎症性骨吸収に対する治療薬として歯周再生療法に応用できると考えられる。現在、今回確立した歯周炎モデルを用いてレプチンによる治療実験を実施しており、この実験結果と上記結果をまとめて論文として発表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] The distinct distributions of immunocompetent cells in rat dentin pulp after pulpotomy.2015

    • 著者名/発表者名
      Min Zhang, Shoichiro Kokabu, Chihro Nakatomi, Goro Sugiyama, Kou Matsuo and Eijior Jimi.
    • 雑誌名

      The Anatomical Record

      巻: 298(4) ページ: 741-749

    • DOI

      10.1002/ar.23087

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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