研究課題/領域番号 |
25462875
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
入江 太朗 昭和大学, 歯学部, 講師 (00317570)
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研究分担者 |
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
森 泰昌 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (00296708)
安原 理佳 昭和大学, 歯学部, 助教 (20453649)
山本 剛 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (80384189)
外薗 知恵 昭和大学, 歯学部, 助教 (10555296) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コンディショナルトランスジェニックマウス / 唾液腺腫瘍 / 腫瘍組織発生 |
研究実績の概要 |
本年度始めにはPLAG1遺伝子をコンディショナルに発現させるためのlox-Pトランスジェニックマウスの作成のためのターゲッティングベクターの構築が完了した。ミシガン大学の三品裕司先生、東北大学の福田智一先生より供与されたターゲッティングベクター(CAG-loxp-lacZ-pA-loxp-MCS-EGFP[CAG-Z-EGFP]プラスミド)にDANAFORM社から入手したPLAG1遺伝子のcDNAを挿入し、シークエンサーによる配列の確認を行い、変異無くPLAG1遺伝子がターゲッティングベクターに正しい方向性で挿入されていることを確認した。完成したベクターをCreの発現ベクターとHEK293Tにco-transfectし、CreによりPLAG1遺伝子が過剰発現することをWestern blotで確認した。完成したベクターを制限酵素により切断・直鎖化し、精製後、このDNAフラグメントを用いてC57BL/6J系統の受精卵にマイクロインジェクションを行った。なかなかコンストラクトを有するマウスが生まれなかったものの、1系統だけトランスジェニックマウス(メス)が誕生した。現在、F1マウスが誕生し、F0マウスについては2回目の妊娠中である。離乳後、ジャームライントランスミッションについて確認予定となっている。ジャームライントランスミッションを確認後、Creマウスと交配させ唾液腺腫瘍初期組織発生の形態学的解析と器官培養を用いたライブイメージングを行う。そのためのSOX9 Cre-ERマウスの飼育を本学動物実験室において既に開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究の目的」の達成度については、若干遅れがある状況である。これについては昨年度の①当初予定していたターゲッティングベクターからミシガン大学の三品裕司先生、東北大学の福田智一先生らのグループが作成したターゲッティングベクターへと変更したこと、②このターゲッティングベクターに挿入するPLAG1 cDNAが全長1.5kbとかなり大きく、なかなか正しい向きの挿入が実現しなかったことがあるが、ターゲッティングベクターが完成し、マウスの受精卵にマイクロインジェクションを行うものの、現在のところ、30匹に1匹程度の頻度でしかトランスジェニックマウスが誕生しない状態である。その対策として多数回のマイクロインジェクションを現在試みているところである。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、ジャームライントランスミッションが確認されたトランスジェニックマウスの完成を目指す。それが確認された後に、Sox9 CreERマウスやKeratin14 CreERマウスと交配させ、CreER-loxPマウスを作成する。このコンディショナルトランスジェニックマウスにタモキシフェンを投与しCreを活性化させ、唾液腺組織の特定細胞のみにPLAG1遺伝子の過剰発現を引き起こし腫瘍を形成させ、経時的に組織学的な観察を行う。また、胎性期の唾液腺の器官培養下でタモキシフェンを作用させ、ライブイメージングにより、GFP陽性を示すPLAG1過剰発現細胞の動態を観察することにより、唾液腺腫瘍の初期組織発生の動態を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス受精卵へのマイクロインジェクションの時期がコンストラクト完成の遅延により予定より遅れたため、トランスジェニックマウス作成のためのマウスの購入・飼育費用が少額で済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
マウス受精卵へのマイクロインジェクションとトランスジェニックマウス作成のためのマウスの購入・飼育費用が必要となることからこれに使用する。
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