本研究では、神経麻痺の発症機構解明を解明するため、運動ニューロンに発現している漏洩カリウムチャネルの制御機構に着目して研究を推進した。小型運動ニューロン群では、一酸化窒素により入力抵抗の減少が認められ、スパイク潜時が遅延していた。一方、大型運動ニューロン群では、一酸化窒素により入力抵抗及びスパイク潜時はほとんど変化していなかった。これらの結果から、神経麻痺発症の際、一酸化窒素により運動ニューロンに発現する漏洩カリウムチャネルの機能変調が生じ、運動ニューロンの膜興奮性が変化するものと考えられる。こうした神経機構が、顎顔面の運動神経麻痺に関与している可能性が示唆される。
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