研究課題
CCN2・CCN3新協同分子の発見:本年度は前破骨細胞などの細胞膜に存在するCD302分子がCCN2と相互作用することを見出し、それが破骨細胞の成熟・機能発揮に必要であることを明らかにしつつある。CCN3も破骨細胞形成に影響力を持つ事が知られており、今後CCN3も含めダイアーキーの視点から研究を進める。CCN2関連病変におけるダイアーキー瓦解の実態調査:変形性関節症 (OA)におけるCCN2の関与は我々の過去の研究により明らかである。そこで本年度はダイアーキーの視点から、CCN3のOA発症における役割、さらにCCN3局所適用のOAへの効果を解析した。まずラット膝関節にOA様病変を誘導したところ、正常なラット関節軟骨細胞には一定量存在するCCN3が、OA誘導によって激減し検知限界未満となった。この変化はCCN2と完全に逆であるが、関節軟骨の維持のおけるCCN3の役割を示唆する所見でもある。よってin vitroの実験系でCCN3の過剰発現が関節軟骨細胞の形質を増強することを確認の後、ラットOAモデルに対してCCN3タンパク質を局所適用しその効果を検証した。その結果、CCN3はOAに対し改善効果を発揮することが組織学的解析によって明らかになった。「CCN2/CCN3バランス」を考慮した骨・軟骨再生誘導プロトコルの試作と検証:従前のCCN2単独適用に代わる骨・軟骨組織に最適な「組織再生CCNカクテル」のレシピを設計するにあたり、すでに組織再生医療で応用されている多血小板血漿をそのナチュラルモデルとして分析した。そして今回、血小板にCCN2が大量に含まれることを確認するとともに、CCN1, CCN3, CCN5も含まれることを明らかにした。そこでCCN1, 2, 3, 5カクテルを調製し軟骨細胞様HCS-2/8細胞に添加したところ、CCN2単独に勝るとも劣らぬ効果を発揮した。本所見はダイアーキーのアイデアを支持するとともに、全CCNファミリーメンバーを視野に入れて研究を展開する必要性をも示すものである。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 2件、 査読あり 20件、 謝辞記載あり 12件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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to be provided
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