骨代謝は骨形成を担う骨芽細胞と骨破壊を担う破骨細胞のバランスでよって調節されている。骨粗鬆症にみられるように、骨吸収が促進した状態では骨折のリスクが高くなる。我々は白鶴霊芝から単離したリナカンチンCに強い破骨細胞分化抑制効果を見出した。リナカンチンCはRANKLによる破骨細胞の分化と、その分化に重要な転写因子NFATc1の発現誘導を阻害した。破骨細胞分化抑制効果は濃度依存的であり、且つ可逆的であった。リナカンチンCはLPS(細菌内毒素)による破骨細胞形成についても阻害した。さらにリナカンチンCはRANKLやLPSによるマウスの頭蓋骨の骨破壊を抑制し、骨破壊抑制効果を個体レベルでも確認できた。
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