研究課題
本年度は、活性脂質を調節因子の一つであるアディポネクチンが、破骨細胞分化への関与を検討する目的で、RAW264.7細胞を用いた破骨細胞形成系に及ぼす影響を検索した。96穴プレートを用いて、100000個の細胞を撒いた。PH7.0αMEMに100ng/mLsRANKLを添加して6日間培養した。培養終了後、4% パラホルムアルデヒドにて固定後、TRAP染色やローダミン・ファロイジン染色を行い、破骨細胞数を計測した。アディポネクチン濃度依存性の検討およびアディポネクチン添加を前半3日間添加群と後半3日間添加群とに分けることで作用時期についても合わせて検索した。アディポネクチン濃度依存的にsRANKLによる破骨細胞形成数及びアクチンリングを持つ破骨細胞数は抑制された。さらにアディポネクチン前半添加群よりも後半添加群の方が分化抑制を認めた。このことより、破骨細胞分化はアディポネクチンによる破骨細胞分化抑制は分化段階の初期段階により強く影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの結果より、アディポネクチンは破骨細胞の分化を抑制することで骨代謝に強く関わっていることが示唆された。これらの結果から、今まで報告してきた破骨細胞の分化を促進する活性脂質であるスフィンゴシン1リン酸の作用をアディポネクチンが拮抗的に調節する作用が認められ、骨粗鬆症治療薬となる可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
3年間の研究において、ほぼ順調に計画が行われ、研究成果を投稿中である。
HMWアディポネクチンの破骨細胞分化抑制機序をさらに詳細に解明していきたい。
投稿予定の論文作成ために追加実験費用を確保しているために物品費を残した。
研究の仕上げのための論文作成費用に使用する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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