活性脂質のひとつであるS1P の破骨細胞分化制御に及ぼす影響を破骨細胞分化誘導系を用いて検討した。全骨髄細胞から赤血球を除去すると、破骨細胞形成数が少なくなり、S1Pを添加することにより細胞数は回復した。RT-PCRの結果より、骨髄細胞ではS1P1mRNA発現が、逆にS1P2mRNAは破骨細胞での発現が亢進していた。赤血球由来のS1Pが破骨細胞形成過程に関与し、S1P1/3阻害により、破骨細胞増殖が抑制され、S1P2阻害により、S1P1作用が助長されることが示唆された。以上のことにより、S1Pが破骨細胞の分化調節において重要な役割を果たすことがわかった。
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