研究課題
Wntシグナルは、発生、恒常性維持、老化など多様な生命現象に関与する。したがって、Wntシグナル調節機構の解明は、重要である。RykはWnt受容体の最新のメンバーである。Rykは、Wntシグナル伝達様式の既存の分類に該当せず、その作用機構については不明な点が多い。Wnt-Rykシグナルは、種を超えて神経ガイダンスを調節することが知られている。加えて、Wntが関わる骨代謝調節にも、Rykが関与する可能性がある。しかし、Rykシグナルの骨組織における生理作用については、全くわかっていない。本研究では、申請者が作製したRyk 条件付遺伝子欠損(Ryk cKO)マウスを用いて、Ryk の骨代謝における役割および作用分子メカニズムを解明することを目的とする。平成27年度は、申請書どおりに骨芽細胞(Ob)特異的Ryk cKO(Ob-Ryk cKO)マウスの解析を行った。Ryk cKOマウスの骨芽細胞におけるRyk遺伝子の欠損が確認された。Ryk遺伝子欠損マウスの骨芽細胞と骨髄間葉細胞の機能について解析したところ、骨芽細胞機能調節への関与が示唆された。研究期間全般をとおして、おおむね予定通りに進行し、破骨細胞特異的RykcKOマウスおよび、Ob-Ryk cKOマウスの作製に成功し、両マウスの解析を行うことが出来た。その結果、Rykシグナルは、ホメオスタティックな条件下においては、破骨細胞の分化や機能調節への寄与が小さいことが示唆された。
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