研究課題
1.血清中における腫瘍血管内皮細胞特異プロテオグリカンの検出: プロテオグリカンを濃縮するカラムを用いて,Tumor EC の培養上清におけるBiglycan が検出できることを確認した.Normal ECの培養上清には検出できなかったが,Tumor ECの培養上清にはBiglycan が検出された.さらに,高転移性腫瘍由来のTumor ECと低転移性腫瘍由来のTumor ECを比較すると,後者には検出されず,前者の培養上清にのみ検出された.その後,マウス腫瘍モデルの進展の経過に伴う血清中のBiglycanの発現の推移を解析した.高転移性のメラノーマにおいてはがん細胞移植後2週前にはマウス血漿に検出され,これが癌の早期診断マーカーとなり得る可能性が示唆された.またがん患者の血清をサンプルとして用いてBiglycanの発現と患者の予後との関連について検討したところ,健常者の血液では低値を示すBiglycanはがん患者の血清では高く,特に転移症例では高い傾向がみられた.2.腫瘍微小環境が血管内皮細胞に及ぼす影響に関する検討: Tumor EC においてこれらのプロテオグリカンの発現が亢進するメカニズムの1つとして、腫瘍細胞と内皮細胞との相互作用による可能性を考え、がん細胞の培養上清により正常血管内皮細胞を処理したところNormal EC にBiglycanの発現亢進みられた。3.マウス腫瘍モデルを用いた腫瘍血管新生阻害療法の試み: Biglycan siRNA―MENDによるin vivo 腫瘍血管におけるbiglycanのノックダウンを試みている.MENDの適切な投与時期や投与量の検討を行った.
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