本研究では、免疫や代謝、炎症の共通制御因子であるPKRとインフラマソームNLRP3が、骨芽細胞において歯槽骨吸収を制御し歯周病の進行に関与するかを検討した。 歯周病原菌P. gingivalisは、骨芽細胞においてPKRを活性化しインフラマソームNLRP3発現及び活性化を誘導した。P. gingivalisは骨芽細胞や破骨細胞の分化に必須である数種類の遺伝子発現を、PKR依存的に調節していた。以上の結果より、歯周病における骨芽細胞で、PKRがNLRP3や骨関連遺伝子の発現を調節し、骨代謝を制御する可能性が示された。
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