研究実績の概要 |
昨年度の研究でStable Isotope Labeling by/with Amino acids in Cell culture (SILAC) 法による解析でPorXによってup-regulateされるタンパク質として以下のものが検出された。Tlr, RagA, 0704, TonB, 1519, 1112, Sod, htrA, DnaK, RpoC, 0354, RpsG, ThrS, GlyQS,InfC, RpsB, AlaS, RplT, Kgp, PorQ, PorU, PorV, Pnp, 0130, Rnr。また、down-regulateされるタンパク質として以下のものが検出された。Mfa1, 0295, 1953, 0741, 0890, HagB, 0659, 0950, 1004, 1005, GrpE, Lon, Rho, AsnS, LysS, RplQ, ValS, IleS, RplL, RgpA, 0872, 1631。 今年度はreverse transcription PCR analysis (RT-PCR法)を用いてmRNAレベルでPorXによって制御されている遺伝子を調べた。その結果、PorXが発現を促進している遺伝子としてragA, PGN_1519, PGN_1800, PGN_0295, PGN_0659, pnp, porUがわかった。PorXタンパク質を用いたゲルシフト解析の結果ではragA, PGN_1519, PGN_1800, PGN_0295, PGN_0659, pnp, porUともそれらのプロモータ領域にPorXタンパク質が結合することがわかった。PorXタンパク質のC末端側にはフォスファターゼ活性を示す可能性のあるドメインがあり、p-nitrophenyl phosphateを基質としてフォスファターゼ活性を測定したところ、PorXはフォスファターゼ活性があることがわかった。また、このドメインの上流にはDNA結合ドメインの存在が予想され、ゲルシフト解析で検出されたDNA結合性はこの領域が関与していることが示唆された。
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