炎症反応や免疫応答には局所の微少環境に存在するサイトカインなど多くの細胞外シグナルによって調節されている。本研究は、様々な細胞外刺激がケモカインなど炎症性遺伝子の発現をどのようにして誘導するのかそのメカニズムの解明を目的としたものである。炎症性サイトカインであるTNFαと IFNγの共刺激によりケモカイン遺伝子 CXCL9 (Mig)、CXCL10 (IP-10) の発現は相乗的に誘導されたが、転写活性化因子と転写の律速酵素であるRNAポリメラーゼIIとを統合する働きを持つメディエーター複合体 (Mediator complex) CDK8はその発現を負に制御していることを明らかにした。
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