これまで我々は口腔扁平上皮癌細胞株におけるGRIM-19の発現解析を行い低発現株(HSC-2細胞)と高発現株(Ca9-22細胞)が存在していることを見出した。この発現の違いはGRIM-19の転写レベルではなくタンパク質レベルで制御されている可能性が考えられた。そこでユビキチン/プロテアソーム系ならびにオートファジー系のタンパク質分解系について各種阻害剤を用いて検討したところCa9-22における発現にオートファジーが関与している可能性が示唆された。一方、HSC-2細胞における非発現は、タンパク質分解系によるものではなくGRIM-19遺伝子のコード領域の塩基配列の変異による可能性が示唆された。
|