研究課題/領域番号 |
25462937
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
小林 馨 鶴見大学, 歯学部, 教授 (50139614)
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研究分担者 |
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30139620)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 頭部背臥位X線CT装置 / ソフトウエア / パノラマエックス線画像 / データベース |
研究概要 |
平成25年度計画として以下の3項目について実施し、その結果をもって当該年度の実績とする。 ①頭部背臥位X線CT装置の開発および製作、 ②X線CT装置からのボクセル画像情報抽出、 ③アナログ画像情報からデジタル画像への変換、の3項目について研究を実施した。 ①についての結果:頭部背臥位X線CT装置の開発および製作について、研究代表者である小林、研究分担者である下田、そして朝日レントゲンを交えて開発、製作に関する会議を7回開催し技術的課題、および開発組織のフォーメーションについて意見交換を行った。その結果、CT開発に際して、他の専門研究機関からのアドバイスを積極的に反映した設計とすることが決まった。 ②についての結果:X線CT装置からのボクセル画像情報抽出は、歯科用CT画像を口内法エックス線画像またはパノラマエックス線画像と比較することが可能で、RaySum画像よりスラブ厚を変えたものがよりデンタル画像やパノラマエックス線画像に近い、とりわけて、厚さを20~30㎜に設定することがデンタル撮影やパノラマエックス線撮影における撮影範囲と近くなることから画像が比較しやすくなることが判明した。 ③についての結果:アナログ画像情報からデジタル画像への変換は、一般歯科医院で用いられている旧来の現像タイプのX線画像をデジタルスキャナーによりデジタル画像に変換し、256階調グレイスケールでほぼデジタル画像と同等に比較できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における「目的」は、在宅診療あるいは大規模災害時収集遺体の個人識別ための頭部背臥位X線CT装置を開発し、それにより得られる3次元画像データに基づいて、歯科標準X線撮影画像および頭部パノラマX線写真に一致する撮影方向と部位の画像情報を抽出し、再構成画像を作成・照合することである。具体的に平成25年度は①頭部背臥位X線CT装置の開発および製作、 ②頭部背臥位X線CT装置からのボクセル画像情報抽出、 ③アナログ画像情報からデジタル画像への変換についての評価、 ①についての評価:開発計画の立案、設計まで進んでいるので段階評価で4に相当、 ②についての評価:学会発表まで行い、これからの課題が明瞭化されているので5段階評価で3に相当、 ③についての評価:ほぼ完了しているので5段階評価で5に相当、と判定した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は25年度の実績を踏まえて以下のとおり、研究を推進する。 ① ボクセル画像情報抽出ソフトウエアを朝日レントゲンと共同して開発し、すでに鶴見大学歯学部が所有している歯科用コーンビームCT装置を用いて、歯科用X線写真一致する領域の切り出し、抽出を行い、i)CT撮影で得られる撮影領域からボクセル・データの切り出し、抽出の可能性について検討する、ii)抽出した領域の画像の歪み、濃度、コントラストの修正、ダイナミックレンジ等について修正を試み、iii)CT抽出データの比較対照にテスト撮影した標準歯科用X線写真を用いる。 ② アナログ画像情報とCTデジタル情報の比較、検証は、ワークステーション上で画像情報の拡張子を統一した上で、相互の画像の重ね合わせを行い、①で抽出した画像情報との一致率を参照しながら修正を繰り返す。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は①頭部背臥位X線CT装置の開発および製作、②頭部背臥位X線CT装置からのボクセル画像情報抽出、③アナログ画像情報からデジタル画像への変換を行った。これらのうち①に関して開発のための研究打ち合わせ旅費を支出したが、②および③に関しては、既存の装置設備で実施したことによる。 次年度は、平成25年度未使用額と合わせて、大容量ワークステーションを購入、構築する。さらに大規模ワークステーションにデータのストレージしPC端末装置を購入する。
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