研究課題/領域番号 |
25462946
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30361702)
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研究分担者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50171567)
島田 康史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60282761)
サダル アリレザ 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (20567755)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | OCT / エナメル質初期う蝕 / 再石灰化 / シュガーレスガム / カルシウム / フッ化物 |
研究実績の概要 |
本研究では、ICDAS(International Caries Detection and Assessment System)ならびにOCT(光干渉断層画像診断法)を用い、口腔内エナメル質初期う蝕(表層下脱灰)に対するカルシウムならびにフッ化物配合ガムの再石灰化効果について評価する。すなわち、エナメル質う蝕を有する被験者(20名以上)協力のもと、ランダムに2群に割り付けし、2重に盲検下された2種ガム(カルシウム配合ガム・カルシウム+フッ化物配合ガム)いずれかを3ヶ月間毎日咀嚼する。ガム咀嚼前後におけるう蝕表層部変化に対するICDAS評価(経時的に月1回・最大3ヶ月後まで)に加え、同う蝕病巣の断面変化(表層下脱灰部変化)に対してOCT観察をICDAS評価同様に行うことで、これまで世界的に明らかにされていなかった、口腔内初期エナメル質う蝕内部の再石灰化有無について明らかにする。さらに、OCTを用いたエナメル質初期う蝕診断・モニターの可能性について解析を試みる。平成26年度までに、両ガムあわせて20症例を集積することができ、盲検データを開示し、各ガム群におけるOCT画像および光学データの比較解析を開始した。さらに、学内倫理審査委員会承認の上で、カルシウムおよびフッ化物共に配合しないコントロールガムの追加検討を開始した。なお、OCTの臨床応用に関しては、チェアサイドにおいても高解像度な断面画像をリアルタイムで得られることから、初期う蝕の診断およびモニターにおいて有効な臨床手段であることを再確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度までに、両ガム群(カルシウム配合ガム・カルシウム+フッ化物配合ガム)あわせて20症例集積することができ、目標症例(20症例)に達し、盲検データを一旦開示してOCT画像および光学データ解析を開始した。また、カルシウムおよびフッ化物の再石灰化効果をより詳細に検討するため、学内倫理審査委員会承認のもと、両素材無配合のコントロールガムの追加検討を開始し、コントロールガムとカルシウム・フッ化物配合ガムとの比較検討について学会報告を行った。なお、これまでの臨床研究において、ガム摂取による身体への影響や、OCT使用事故も生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、再度ガムの盲検性を設定した上で、全群(コントロールガム、カルシウム配合ガム・カルシウムおよびフッ化物配合ガム)の臨床症例数をさらに追加し、口腔内エナメル質初期う蝕の再石灰化におけるカルシウム・フッ化物の役割について鋭意検討を加えた上で、最終年度として論文作成を行い国際学術雑誌への投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題における目標臨床症例数(20症例以上)に対し、本年度までに20症例の集積にとどまったため、5名分以上の被験者謝金を含む経費が残高として残り、このため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度以降、さらに臨床症例を随時増やし続けてゆくことで、次年度使用額を含む研究費を計画的に使用してゆく予定である。
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