研究課題/領域番号 |
25462950
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00182733)
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研究分担者 |
サダル アリレザ 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 国際交流センター非常勤講師 (20567755)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光重合型コンポジットレジン / コントラスト比 / Slow-start curing法 / 重合 / 重合収縮 / 窩壁適合性 / Micro-focus X 線CT |
研究実績の概要 |
Slow-start curing法が自動的に行えるランプ電圧自動可変型光照射器を用いて、光重合型コンポジットレジンの窩壁適合性について検討した。ヒト大臼歯歯頸部に直径3mm、深さ2mmの円柱状窩洞を形成し、コントラスト比の異なる光重合型コンポジットレジンのVita シェードの A3に対応するレジンを填塞し、通常の照射法とSlow-start curing法により重合硬化させた。通常照射法として、① 600 mW / cm2 60秒、Slow-start curing法として② 270 mW / cm2 10秒照射、インターバル5秒、600 mW / cm2 40秒の照射法を用いた。レジンの硬化後、サーマルサイクルに供し、その後、色素浸透試験を用いて、2種の光照射法で硬化させたレジンの窩壁適合性を調べた。その結果、レジンの重合に伴いコントラスト比(レジンの不透明度)が減少するレジンより、コントラスト比が増加するレジンに、Slow-start curing法(始めに低出力で照射し、次に通常出力で照射する光照射法)を用いて重合すると、窩壁適合性が良好となることが明らかとなった。また、ウシ前歯歯頸部に直径3mm、深さ2mmの円柱状窩洞を形成し、コントラスト比の異なる光重合型コンポジットレジンを填塞し、通常の照射法とSlow-start curing法により重合硬化させた。その際、レジンの硬化前後の試料をMicro-focus X 線CTを使用してスキャンした。レジンの硬化後、サーマルサイクルに供し、その後、色素浸透試験を用いて、レジンの窩壁適合性を調べた。その結果、レジンの重合に伴いコントラスト比が減少するレジンより、コントラスト比が増加するレジンに、Slow-start curing法を用いて重合すると、重合収縮応力が減少し、窩壁適合性が良好となることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に論文を6編発表し、学会発表を4回行い、国際学会においても発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
窩洞に充填したコントラスト比の異なる光重合型コンポジットレジンを通常の光照射法とSlow-start curing法で硬化させる。その際、Micro-focus X 線CTを用いて、レジン硬化前後の試料をスキャンし、レジン硬化前後のCT画像の解析を行い、光重合型コンポジットレジンの重合収縮挙動と窩壁適合性の関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会の成果発表旅費を支出するため。
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次年度使用額の使用計画 |
国際学会の成果発表旅費を支出する。
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