研究課題/領域番号 |
25462953
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福島 正義 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30156773)
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研究分担者 |
石崎 裕子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303161)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 臨床研究 / セラミックス / CAD/CAM / 接着 / 修復物の寿命 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は申請者が過去25年間のレジンラミネートベニア、ポーセレンラミネートベニア及びCAD/CAMセラミック系修復物をそれぞれ5年~25年追跡して得られた症例保管資料を用いて、修復物の後ろ向き(retrospecitve)観察を行い、修復物の寿命に影響する3大要因すなわち使用材料、術式および患者について分析する。それによって各修復法の適応基準やメインテナンスにおける留意点を明らかにし、オールセラミック修復に関わる治療ガイドラインや患者へのインフォームドコンセントに必要な臨床的根拠を示すことである。平成26年度はラミネートベニア修復物およびCAD/CAM修復物の追跡調査を続行し、とくにポーセレンラミネートベニア修復物で術後25年経過の症例を得ることができた。これは国内外の臨床報告を見ても最長である。レジンラミネートベニアでは術後10年経過する頃から摩耗や変色が目立つようになり、患者自身も気にするようになっていた。数例でポーセレンラミネートベニアでの再修復が行われた。ポーセレンラミネートベニア修復物に見られた主な事故は部分破折であった。これには対合歯との強い咬合接触によるチッピング、歯面形成において象牙質露出のあった症例で象牙質面・エナメル質面との境に亀裂が入って破折したと思われる症例、支台の歯質が薄くて支持が弱いために破折した症例などが見られた。歯肉退縮はほとんどの症例で見られた。多くは1~3㎜の退縮であったが、そのために再修復となった症例はこれまでにはなく、許容される範囲であった。CAD/CAM用長石系セラミック修復物では大臼歯部のクラウンで対合歯との咬合が強いと思われる症例で破折を観察した。小臼歯部では事故例は観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度購入した3次元測定用の光学スキャナーの読み込みデータのエクスポートのために別途ライセンスが必要であることが判明したことを報告した。その後、製造国のドイツへ問い合わせたところ、模型のスキャンデータはエキスポートできるが、修復物のデータの出力のためには未だ日本国内に準備されていないこととライセンス料が100万円近くするとのことで、本研究費では贖えないことが判明した。現在、模型の測定解析ソフトを検討しているが残された研究費では賄えないほど高価である。そのため計測関係が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている模型の計測について目処が立たない場合は歯肉退縮量については症例記録を参考にし、辺縁のギャップは辺縁の着色の有無のみで評価し、修復物の磨耗量については修復物の寿命に直接的に影響しないので測定しないことにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度の消耗品が他の経費から賄えたため出費が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は統計ソフト購入と英文翻訳料が多くを占める出費になる予定である。
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