平成25年・26年に得られたデータ解析の結果に基づき、平成27年度は20%DTPA溶液を前処理材として応用した場合と、2%DTPAを配合した場合の試作レジン接着システムにおける象牙質引張接着強さおよび象牙質マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)活性抑制効果について、長期水中浸漬後の試料を用いて検討を行った。 その結果、20%DTPA溶液を前処理剤として応用した場合と2%DTPAを配合した場合のいずれにおいても、観察期間24ヵ月後までに置いて6ヶ月後と比較して有意な差は認められなかった。 また象牙質引張接着強さについては、DTPAを応用していないコントロールに比較して観察期間24ヵ月後の接着強さの低下は抑制された。 一方で、予備実験の結果から水中に長期間暴露された象牙質MMPsは変性する可能性が考えられることから、象牙質MMPs活性を加速させるような条件を設定することによって、短期間の水中浸漬においても酵素活性およびその活性阻害を評価できるような検討が望ましいと考えられたことから、今後の耐久性の評価法についても、新たな方法を検討している。
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