研究課題/領域番号 |
25462961
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
菅 俊行 徳島大学, 大学病院, 講師 (60243713)
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研究分担者 |
高橋 加奈子 徳島大学, 大学病院, 講師 (80403715)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フッ化ジアンミン銀 / フッ化ジアミンシリケート / サホライド / 抗菌性 / 齲蝕 / 象牙質知覚過敏症 / 塩化セチルピリジニウム / S. mutans |
研究実績の概要 |
我々は、フッ化ジアンミン銀(サホライド)塗布後の歯質変色の欠点を改善するために、新規フッ素化合物であるフッ化ジアミンシリケートを調製した。フッ化ジアミンシリケートは歯質変色を起こすことなく、象牙細管を緊密に封鎖したことから象牙質知覚過敏症治療薬として有用であることが示唆された。しかしながら、抗菌性を考えた場合には銀を含有しているフッ化ジアンミン銀の方が優れていると思われる。そのため、フッ化ジアミンシリケートに各種抗菌成分を添加することにより、抗菌性がどのように変化するのか評価した。添加する抗菌成分としてはクロルヘキシジン(CHX)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、エピガロカテキンガレート(EGCG)の4種類とした。ハイドロキシアパタイトペレットを各種抗菌成分添加および無添加のフッ化ジアミンシリケート溶液で処理後、5%スクロースを添加したStreptococcus mutans懸濁液に一定時間浸漬を行い、ペレット表面の走査電子顕微鏡観察と付着したStreptococcus mutansを剥離後にBHI培地に播種しCFUの測定を行った。その結果、フッ化ジアミンシリケートにCPCを添加した場合にはペレット表面への付着菌が有意に減少し、フッ化ジアンミン銀と同等の抗菌性を示した。しかしながら、CHX,IPMP,EGCGを添加した場合はフッ化ジアミンシリケートの抗菌性を向上させる効果はなく、むしろ少し抗菌性を減少させる結果となった。以上のことから、フッ化ジアミンシリケート溶液へのCPC添加は齲蝕予防剤として臨床応用できる可能性が示唆された。対照的にCHX,IPMP,EGCGの添加は抗菌性を向上させる効果がないことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で当初予定していた検討評価が行えたことから、本研究計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も申請時に記載した研究計画に基づき研究を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に使用した物品は以前に購入して保管していた物品で賄うことができたり、出席を予定していた学会等に日程の都合上、出席することができなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画書にのっとり、資料収集に必要な学会に出席する費用に使用するとともに、脱灰試験に必要なアパタイトディスク等の研究遂行に必要な物品を適宜購入する予定である。
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