在宅診療にも応用できる，難症例に対する簡便な全部床義歯製作システムの確立

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25462989
• 研究機関: 新潟大学
• 研究代表者: 金田 恒 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60322103)
• 研究分担者: 小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241) ; 昆 はるか 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636) ; 櫻井 直樹 新潟大学, 医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50251830) ; 野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859) [辞退] ; 小林 博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00225533) [辞退] ; 佐藤 直子 (五十嵐直子) 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20313520) ; 山鹿 義郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20736607) ; 金子 広美 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10736599) [辞退]
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 機能評価

研究実績の概要

【背景】27年度に大学病院に入院中の患者に対し，トライアルを試みようとした際に，以下の点が顕在化した．すなわち，入院中の患者は外来患者と比較し，認知機能や口腔機能が低下しており，十分な機能評価が行えないことがある．
【目的】最終年度は，義歯に対する機能評価そのものの再検討が必要になり，在宅療養患者の義歯の機能評価法についての検討をすることとした．
【方法】分野の関連施設（歯科診療所）にて，無歯顎で，新たに義歯を製作する5名の患者の口腔機能の評価を行った．術者および評価者は臨床経験2年以上の歯科医師3名とした．認知機能の評価にMMSEを用い，口腔機能評価として，グミゼリーを用いた咀嚼機能検査と食品アンケートを行った．評価を行うタイミングとしては，義歯調整が終了し，メンテナンスに以降した時期とした．
【結果と考察】認知機能を示すMMSEは治療開始時には平均14.6で，いずれも中程度の認知機能低下を認めた．義歯の調整が終了し，メンテナンス時の咀嚼機能検査結果は，平均1.42だった．舌圧は平均18.1 kPaであったが，測定を出来ない患者が1名いた．認知機能の程度により，適切な義歯を装着した際にも，口腔の機能の発現程度にばらつきがあることを示された．また，認知機能が低下すると，患者が術者の指示に従えないことがあり，臨床上の操作を変更する必要が生じた．したがって，患者の認知機能の程度に応じて，義歯製作法を選ぶ必要があり，今後の課題としたい．

研究成果

• [雑誌論文] 半量グミゼリーによる咀嚼能率スコア法の開発 (2016)
  • 著者名/発表者名: 小野高裕，安井栄，金田恒，菊地さつき，來田百代，高阪貴之，菊井美希，前田芳信，野首孝祠
  • 雑誌名: 日本咀嚼学会雑誌 巻: 26(1 ページ: 9-13
• [学会発表] 側方歯群交換期前後の学童の咀嚼能力 (2016)
  • 著者名/発表者名: 13)菊地さつき, 山本孝文, 金田 恒, 山鹿義郎, Simonne Salazar，堀 一浩, 野首孝祠, 小野高裕
  • 学会等名: 第27回日本咀嚼学会学術大会
  • 発表場所: 広島大学（広島県広島市）
  • 年月日: 2016-11-06
• [学会発表] Masticatory Performance of Removable Prosthodontics Patients. (2016)
  • 著者名/発表者名: Salazar S, Kikuchi S, Kaneda K，Yamaga Y，Hori K, Ono T
  • 学会等名: 第23回日本歯科医学会総会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-10-21 – 2016-10-23