在宅診療で訪問回数を少なくする義歯の製作法は未だ確立されていない.4回の診療回数で,比較的適合良好な義歯を製作できるBiofunctional prosthetic systemを在宅診療用に改良を行い,大学病院の外来患者に対しトライアルを行った.従来法,トライアル法いずれの方法も咀嚼機能に有意な差を認めなかったため,機能回復については従来法と遜色ないことが示された.しかし,外来患者と異なり,在宅療養患者では認知機能が低下し患者が術者の指示に従えないことがあり,臨床上の操作を変更する必要が生じた.したがって,患者の認知機能の程度に応じて,義歯製作法を選ぶ必要があり,今後の課題としたい.
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