研究課題/領域番号 |
25462999
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安部倉 仁 広島大学, 大学病院, 講師 (30159454)
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研究分担者 |
坪井 将洋 広島大学, 大学病院, 歯科診療医 (20614382)
大倉 知久 広島大学, 大学病院, 歯科診療医 (20711360)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔習癖 / 精神的ストレス / ポータブル筋電計 / ブラキシズム |
研究概要 |
睡眠時・覚醒時ブラキシズムなどの口腔習癖,情動ストレスなどの心理社会的要因を客観的に数値化し,共分散構造分析の手法を用いて,Temporomandibular Disorders(TMD)発症にかかわる主要な因子の直接効果の大きさを推定する.このようにして,生物心理社会的モデル(biopsychosocial model)の枠の中でTMDの複雑な因果図式を整理することが目的である. 睡眠時・覚醒時ブラキシズムの客観的評価には超小型携帯筋電計により測定した。顎筋活動を用い,情動ストレスなど心理社会的要因は自律神経活動と心理テスト等で評価する.TMD発症の因子の強さを明らかにするため,口腔習癖,情動ストレスなど社会心理学的因子,TMD症状を評価し共分散構造分析により双方向因果関係,潜在的因子も含めて,各因子の直接効果の強さを明らかにする.各因子を表すパラメータは質問紙法など主観的方法の他,客観性を高めるため以下の方法で評価する.被験者は歯学部学生から約40名について以下のような方法によりデータを採取した。1)睡眠時ブラキシズムは超小型携帯筋電計で記録した筋活動を評価する.2)情動ストレスなど社会心理学的評価は心理テストにより評価する.3)口腔習癖の評価:質問紙法による.4)心理社会的要因の評価:質問紙法(既存の心理テスト)による.5)TMD(Temporomandibular Disorders)症状の評価:質問紙法による. 以上から,小型携帯生体情報測定装置(ポータブル筋電計)による評価は質問紙法による口腔習癖の評価と相関があり,質問紙法による口腔習癖の妥当性があることを本年度は明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、睡眠時ブラキシズムなどの口腔習癖の評価の妥当性と信頼性の検討については、当初予定していたように、平成25年度に小型携帯生体情報測定装置(ポータブル筋電計)を用いて睡眠時ブラキシズムの客観的な評価が可能であることが判明し、さらに、本年度はこの小型携帯生体情報測定装置を用いて質問紙法の妥当性を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
被験者を追加し,25年度と同様の調査研究を継続して行う.得られたパラメータの相関行列から相互の関連性を検討.相互に相関が高い類似のパラメータは主成分分析により情報を集約化した主成分負荷量を求める.相互に独立したパラメータはそのまま分析に使用する.論理的根拠,時間の前後性などを考慮して因果図式モデルを構築.重回帰分析の標準偏相関係数から因子の直接効果の大きさを推定.共分散構造分析(統計ソフトAmos:IBM)にて双方向の因果関係も考慮して直接効果を推定.
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