研究課題/領域番号 |
25463002
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
田島 登誉子 徳島大学, 大学病院, 助教 (80335801)
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研究分担者 |
重本 修伺 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20294704)
郡 元治 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50253216)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 噛み心地 / 咀嚼運動 / 咀嚼筋活動 / 6自由度顎運動測定 |
研究概要 |
「噛み心地」の良い補綴物はQOLの向上に関連すると考えられ,「噛み心地」を客観的に評価することが可能となれば,患者の訴える不具合の存在が明確になり,将来的に適切な治療法の選択につながると考えられる。 本年度は食習慣や口腔内状態の評価に関連したアンケート調査を行い,さらに食品咀嚼時の顎運動と咀嚼筋筋電図を同時測定した。咀嚼運動測定は磁気方式顎運動測定器(徳島大学,CS-IIi)を用いて、咀嚼筋活動は小型生体アンプ(TEAC社製,BA1104)、嚥下音は咽喉マイク(南豆無線電機,SH-12iK)を用いて記録した。咀嚼運動と生体信号データの同期測定はGPS同期型刻時装置(HAKUSEN社製,LS-20K)のパルス出力を使用して行った。この測定システムを用いて健常成人男性5名、女性3名(33.1±15.5歳)を被験者として食パンの摂食から嚥下にわたる一連の食事動作時の下顎運動、咀嚼筋活動、嚥下音などの同期測定を行った。摂食から最終嚥下までを食事動作時間,顎運動の上下成分と咬筋活動から咀嚼と判定した区間を咀嚼時間とし、咀嚼回数、咀嚼サイクル時間、最大開口量、咬筋活動量と共に被験者の年齢との関係について解析した。食事動作時間、咀嚼時間、咀嚼回数は年齢とともに増加する傾向を示した。また咀嚼の全区間において咀嚼サイクル時間や咬筋活動量が変化しなかったのに対して、最大開口量は咀嚼の進行に伴い有意に減少していった。 顎運動と各種生体信号の同期測定を行うことは摂食・咀嚼・嚥下機能を評価するのに有用であるので,今後は、機能評価のためのパラメータ抽出を行うとともに、高齢者や欠損補綴処置前後での測定を行うことで機能評価、機能回復および歯科治療計画や歯科治療の効果判定につなげる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食品咀嚼時の運動解析は行ってきたが,運動解析に予想以上の時間がかかってしまったため,咬合接触部位との関連性について解析および分析に至らなかった.また被験者数が予定よりも少なかったことも,解析に時間を要したことが原因と考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
ブルーシリコーンによる咬合接触状態との関連についても解析を進める予定である. さらに新たな測定を行い,被験者数を増やす予定である. 数種類の食品咀嚼時の顎運動データおよび筋電図データの解析方法を変更し,新たなパラメータによる分析を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遅延により測定時に必要な咬合器や被験食品などの物品購入までに至らなかったためである. 当該年度に実施できなかった咀嚼運動測定を次年度では行う予定であり,次年度はそのための物品を購入する予定である.
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