研究課題/領域番号 |
25463017
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10196694)
|
研究分担者 |
小野 康寛 昭和大学, 歯学部, 助教 (70514876)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 睡眠時ブラキシズム / 睡眠ポリグラフ検査 / ブラキシズムの臨床徴候 |
研究概要 |
睡眠時ブラキシズム(SB)の筋活動を睡眠ポリグラフ検査(PSG)により詳細に分析し,筋活動様相の実態とSBを示唆する臨床徴候との関連性を検討した. 被験者は,顎口腔系に機能異常を認めない成人17名(男性8名,女性9名,平均年齢26.7±2.8).睡眠同伴者によるSBの指摘,3か所以上の象牙質に及ぶ咬耗,咬筋肥大,起床時症状のいずれかを認める者とした.音声・ビデオ映像付きPSG検査では咬筋筋電図を同時記録した.SBの筋収縮パターンをリズム性咀嚼筋活動(RMMA)とTonicに分類した.これらの発生頻度を,4つの臨床徴候(睡眠同伴者によるSBの指摘,咬耗,起床時症状,咬筋肥大)の有無で比較した. その結果,被験者全体のSB episodeの頻度は5.0±2.4回/hrであった.各筋収縮パターンについてRMMA episodeは4.0±2.5回/hr,Tonic episodeは1.0±0.8回/hrであった.また,歯ぎしり音を伴うepisodeは4回/nightであった. 睡眠同伴者によるSBの指摘の有無で比較すると,指摘ありの群でRMMA episode/hr の頻度が有意に多く認められた(p=0.011).また,咬耗歯数の多少で比較すると,咬耗歯数の多い群で同様の傾向が認められた(p=0.049).咬筋肥大の有無で比較すると,咬筋肥大の無い群でTonic episode/hrの頻度が有意に多く認められた(p=0.009).一方,起床時症状の有無で比較すると筋収縮パターンの違いでの有意差を認めなかった. SBの筋活動様相とSBを示唆する臨床徴候との関連性について検討した結果,睡眠同伴者によるSBの指摘と象牙質に及ぶ咬耗歯数は,SBの筋活動のうちRMMA episodeを反映する臨床徴候であると考えられた.一方,咬筋肥大と起床時症状の有無はSBの筋活動様相と関連がないと考えられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現段階で睡眠時ブラキシズムの認められる被験者17名について臨床徴候との関連性の検討が終了している.既に被験者の確保は終了しているので,さらに8名の測定,分析を実施する予定である.また,睡眠時ブラキシズムのないコントロール群についても25名の被験者の測定を行う予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
睡眠時ブラキシズム群25名とコントロール群25名の分析を行い,睡眠時ブラキシズムの臨床徴候と筋活動様相との関連性を検討して,新たな臨床診断基準を作成する.その臨床診断基準により分類したサブグループについてその妥当性を検討する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
採得したデータの解析処理に使用する予定であったが,一部データの取り直しが生じたため. データの取り直し後にデータの解析処理に使用する.
|